旅行者の食品持込みと商業輸入を区別する
インドネシアのハラール製品保証実施庁(BPJPH)は2026年10月9日、ハラール制度の次の実施段階を10月18日から開始し、延期しないと発表しました。日本から食品を持って渡航する場合、重要なのは「旅行中の個人使用」と「販売・事業目的の輸入」を分けて考えることです。この記事は10月16日に確認した公式情報に基づきます。
開始日と制度の位置づけ
今回の案内は、外国人旅行者に新たな入国税や申請フォームを課すものではありません。既存の法制度を段階的に実施する告知です。税関FAQは、根拠としてハラール製品保証法2014年第33号、政府規則2024年第42号、輸入製品の適合性確認を定めるBPJPH規則2026年第4号を挙げています。
海外の食品・飲料などについて、税関FAQが示す期限は10月17日です。一方、BPJPHは実施開始を翌18日と説明しています。対象製品ごとに適用段階があるため、食品と医薬品、化粧品などを一括して「すべて同じ条件で始まる」と理解しないようにしてください。
旅行者の個人携行品はどう扱われるか
税関の公式FAQは、BPJPH規則2026年第4号第2条第4項に基づき、旅客の個人携行品を輸入製品の「ハラール適合性確認(pemastian)」の除外対象として挙げています。この除外を、食品・医薬品・動植物製品の持込条件すべてから免除される意味に広げてはいけません。通常の税関申告、検疫、禁止・制限品の確認は別の問題です。
自分が旅行中に使う食品と、販売する商品や事業用の荷物は分けて整理しましょう。判断に迷う場合は、品名、原材料、数量、用途をまとめて税関や検疫当局へ照会してください。「スーツケースに入っているから個人用品」とだけ考えるのではなく、持ち込む目的も説明できるようにすることが大切です。
日本企業・出張者が確認すること
商品、営業用食品、展示用サンプルなどを持参する出張では、用途と該当する手続を輸入者側と確認してください。FAQには試験用サンプルなどの除外もありますが、展示品や配布品が自動的に同じ扱いになるとはいえません。認証、外国認証の登録、製品適合性確認を混同せず、自社製品について必要な対応を個別に整理する必要があります。
特別措置の検討と詐欺への注意
BPJPHは、小規模事業者や輸入品などの特定の状況に対応する規定を準備中とも説明しています。これを全面延期や無条件免除の決定と取り違えないでください。同庁は事業者への一斉摘発方針を否定し、BPJPHを名乗って罰金や手続費を求める詐欺への警戒も呼びかけています。
旅行者は、ネット上の「食品が一切持ち込めなくなる」といった断定的な情報だけで判断せず、荷物の用途と公式の対象範囲を確認しましょう。制度の説明と実際の持込許可は同じではありません。10月18日以降も、出発前に最新の公式案内を確認し、不明点は申告・照会することが実務上の備えになります。
出発前の準備
食品を小分けにして持参する際も、原材料や製品名を確認できる包装・表示を残すと、照会時の説明に役立ちます。医薬品は食品と同じ基準で判断せず、成分と持参量について別途確認してください。現地の知人から頼まれた荷物も、中身や用途を把握しないまま引き受けないことが大切です。
家族旅行でも、誰が何を使うのか整理し、個人携行の説明と商業目的の荷物を混ぜないようにしましょう。こうした準備は、持込許可を保証するものではありませんが、公式窓口との確認を進めやすくします。